2009年09月12日
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分断された「恵泉裏通り」という問題

Written By: 川俣 晶連絡先

 これだけ散歩で歩いても、まだまだ徒歩圏内に未知領域はあります。

 小田急線経堂駅前からヨークマート前を経由して西に向かう「東京都道118号調布経堂停車場線」以南、「東京都道428号高円寺砧浄水場線(荒玉水道)」以東の領域も、徒歩で踏み込めない距離ではありませんが、まだ踏み込んだことがない地域でした。

 というわけで昨日やっと足を踏み入れてみると、予想もしなかったかなり意外な光景が……。

 恵泉女学園 中学・高等学校の裏手で、道路が突然切れていて、向こうを覗くとすぐ先から道路が続いています。ここで道路が寸断されています。

 ここまでなら、単に「いきなり見たので驚いた」という話です。反対運動がこじれて道路が途切れるなど、一般論としては珍しい話ではありません。

 しかし文字を書いたプレートが誇らしげに掲げてあるのを見ると、ちょっと首をひねってしまいます。ここに道路は通りませんと断言されていたり、世田谷の水と緑は守られた、といった文言を通行人に見えるようにわざわざ掲示するのはどうでしょうねえ。

 便利な道路ができてしまうと車の通行量が増えて環境が悪化する、という理屈は分かりますが。道路がなければ車の総量が減るわけもなし。他の地域に車を押しつけているだけ、という気がしますね。とすれば「他の地域の皆さん、ごめんなさい」という態度を見せねば白い目で見られるだけだろうと思いますが、実際は道路が通らない手柄を誇っているように見えます。特に、ここを通るはずだった車の一部を世田谷の他の地域に押しつけているはずなのに、世田谷は守られた……という表現は、けっこう反感を買っている可能性があるのでは?

 まあ部外者には分からないことも多いと思うので、あまり立ち入った論評は行いませんが。興味深いこじれた問題は意外と身近にいくらでもあるのだな、と思いました。

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